シャヴィニョルの由来と歴史
シャヴィニョルは、フランスのロワール地方に位置するサン セールの町の近くにあるシャヴィニョル村で生産されるチーズです。16世紀から存在し、クロタン・ ド・シャヴィニョルという名で親しまれてきました。
チーズの名前の由来には、二つの説があります。一つは、オイルランプとして使用されていた「クロ」と呼ばれる素焼きの器に由来するもの。もう一つは、チーズの形状が馬の糞に似ていたことから来ているというものです。
また、1976年にAOC(原産地統制名称制度)を取得しました。この認定により、シャヴィニョルの名前とともに、その品質と起源が保証されました。
シャヴィニョルの熟成と味の変化
シャヴィニョルチーズは熟成の過程で味が大きく異なります。若いものは「フレ」と呼ばれ、ほっこりした組織とさわやかな酸味、ミルクの風味を特徴とします。12日熟成したものは「ドゥミ・セック」と呼ばれ、少ししっとりとした組織で、酸味とミルクの甘味が感じられます。
さらに、1か月熟成すると「ブルー」と呼ばれ、森を思わせる香りの青カビが表面にまとわりつきます。くるみやヘーゼルナッツの風味をもつ「トレ・ セック」として知られるチーズもあります。
そして、セラミックのつぼに入れて1か月以上熟成させると、個性が際立った「ル バッセ」が生まれます。
シャヴィニョルと料理とワイン
シャヴィニョルチーズは、熟成の段階によって異なる味わいを楽しむことができます。若い時は活気があり、酸味と甘みが感じられます。しかし、熟成が進むと、身が締まり、青カビが表面に現れます。この段階では、濃厚なミルクの甘味とナッツのような香ばしさが味わえます。
シャヴィニョルチーズは、その味わいの変化によって様々な料理との相性が楽しめます。焼いたりサラダに添えたりすることで、さらにその味わいを引き立てることができます。特に、ロワールの白ワインや辛口の赤ワインとの組み合わせは抜群です。