ルブロションチーズの起源と歴史
ルブロションチーズは、フランスのサヴォワ地方で生まれた歴史あるチーズです。その起源は13世紀にさかのぼります。
当時のサヴォワ地方の農民は地主に牛のミルクの搾乳量に応じた税金を支払う義務がありましたが、農民たちは税金を逃れるために、地主が搾乳量を測定する日にこっそりと牛の乳を再度搾乳し、そのミルクでチーズを作ることがありました。
再度搾ったミルクは乳脂肪量が高く、チーズ作りに最適でした。こうした由来から、フランス語で「2度搾る」がチーズ名「ルブロッション」の語源となりました。
ルブロションチーズの人気と製造方法
ルブロションチーズは、サヴォワ地方の名産品であり、地元の伝統と歴史を感じさせるチーズとして広く愛されています。そのクリーミーで穏やかな味わいは、多くの人々に喜ばれており、特に地元料理やフランスの伝統料理で重宝されています。
ルブロションチーズは、高地牧場で育った牛のミルクを使用して作られます。チーズは塩水で洗われ、地元の針葉樹の棚で熟成されます。外皮の色合いや風味は、この熟成過程で形成されます。農家製と工場製の2種類があり、農家製は地元のミルクを使用し、工場製は集められたミルクで作られます。
ルブロションチーズの味わいと食べ方
ルブロションチーズは、外皮がオレンジ色で木の香りが漂い、中身はクリーミーで甘みがあります。若いチーズはミルクの甘みと酸味が感じられ、熟成すると香ばしい風味が加わります。外皮と中身をバランスよく食べることで、その旨みを最大限に味わうことができます。
舌の上でとろけるようなクリーミーな口当たりと、ミルクの甘味と鼻に抜けるナッツの香りが楽しめます。外皮の匂いが苦手な場合は取り除いて食べることもできます。また、ジャガイモやベーコンと一緒にオーブン焼きにしたり、サヴォワ地方の伝統料理であるタルティフレットに使われることがあります。
ペアリングには、辛口の白ワインやフルーティな赤ワインがおすすめです。また、軽めのビールや甘口のシードルも合うでしょう。